kiee piano blog

40代ピアノ愛好家の自作曲紹介、音楽ネタ。それ以外も。

ほんとうのハナマル

今週はショックな出来事がひとつ。

どうしても落ち着けない子に困り果てている。人手が足りないとヘルプ要請があった。
普段はみていない低学年の子。
座っていられるだけで花丸ですからと説明を受けた。

当日、机の上は、教科書や筆箱が何かに見立てたように積まれて、折り紙で作った動物が散らばっていた。
新しいせんせい?ねぇ、みて、これおうちだよ!と
教えてくれた。

座っていられればいいんだしと、そのワールドに耳を傾け、小さな声で相槌を打った。
先生からその子に、授業の取り組みを促す声がかかった。そうか、やれそうならトライさせるのね。

広げたおうちを、リフォームします!といって縮小して、ノートを広げて、しあげて先生に見せに行った。
花丸をもらえてニッコリしていた。
普段書かないのに、新しい先生にいいとこ見せたいのねという評価を私は頂いた。ビギナーズラックというわけか。とりあえず、初日は無事に終えた。

二日目は更にマイワールド披露モード全開だ。プリントの裏にゲーム画面のような絵を書いてイマジネーションを広げていく。海賊がでてきたり、ボカボカボカボカと効果音があったりとバトルアドベンチャーなゲーム世界。もう、楽しくてたまらない。しょうがないので、私もそこに吹き出しを書くことでお邪魔して、さぁ、さんすうステージへ進もう!とかなんとか、勇者は伝説の鉛筆を取り出したとかなんとか、書き込みで話しかけると、その子が決定ボタンという丸を書き込んで、そこをポチッと鉛筆でタッチすることで納得して進むという流れができた。少しずつしか書いてくれなくてとても時間がかかったが、なんとか終えるとステージクリア!とその子は笑みを浮かべ、意気揚々と先生の元へ丸をもらいに行ったのだった。

だが、なにこれ?ちゃんと書き直してと返された。

笑顔は消えて、なんだよ、やったのに!と怒りが吹き出した。せっかく仕上げたプリントに鉛筆ででぐしゃぐしゃに線を書き込む。手でくしゃくしゃにする。それをハサミで切ろうとする。先生の名前を交え悪態をつく。机の上のもの中のものを投げ散らかす。涙をこぼして。

これくらいで丸がもらえて、気持ちよく終われるだろうと考えた私が甘かった。
式の書き方、答えの書き方を徹底しなければならなかったのだ。
詰めの甘さのせいでステージクリアの笑顔をあっという間に消しさってしまった。

引き継ぎが来て、こんなに散らかってと言っていた。なんで、教科書積まれてるのとも言っていた。
そうだよね。成すべきことがわかってなかったのは私だ。
座っていられれば花丸の言葉に甘えてしまった。
何事も、これくらいでいいかと妥協してしまう悪いくせがでてしまった。
座っていられれば花丸は、つまり、座らせておいてもらえれば花丸という急に支援に入ることになった私への配慮だったのだ。

けれど、頑張りを認めて、足りなければここをこう書いたらいいよと優しく伝えてくれても良かったのにとも、つい思ってしまう。
咎めるように言うのは、あえての教育的配慮なのかもしれないし、厳しさがとても必要なのは最近はよくわかってきた。それが不足している私は駄目だなと思う。所詮、素人だ。
先生方も苦しい気持ちで厳しくしているのかもしれない。
それでも…。嬉しい気持ちから悔しい気持ちへの急降下がなんとも胸が痛かった。

次にヘルプに入るときがあれば、うまくのせることにばかり気をとらわれないで、机に積まれた教科書をしまい、課題は丁寧、間違いなく書いてもらえるように促そう。その子がほんとの花丸をもらえるように励まそう。ステージクリアの笑顔が見られるように。花丸ゲットだぜ!