akiee piano blog

40代ピアノ愛好家の自作曲紹介、音楽ネタ。それ以外も。

私と美…切り落とせないもの

この子は順当にいけば、モテモテJKになるかもなぁというのは言いはしないけれど、高学年位になるとわかる。

友達から可愛いねという言葉をかけられ、男子の態度も優しくなっちゃってるのがわかる。
中には、可愛いって思ってるんでしょ?みたいな皮肉めいた言葉を浴びせる女子もいる。
そんなことないよぉーと応じているのをみると、それはそれで大変だなと思う。


私は子供時代、可愛い称号なんては頂いたことはなかった。

しかし、中学になると、ちょっと嬉しい称号を手にいれる。
湯上がり美人だ。

なんだそれはって?
これは、林間学校、修学旅行の時だけ授かる称号。
私はくせっ毛で、黒髪ゆるぼわって感じ。
それが、お風呂のあと、真っ直ぐストレートになると湯上がり美人に変身するのだ。髪が乾くまでの束の間の称号。
それを揺るぎないものにしたのは、部活の国際親善試合で合宿に行ったときだ。

お風呂から出て、ポタポタ髪から水を垂らして廊下を歩いていると、韓国人の男の子に、あっ美人がいます!と指差され、その友達もやってきて、ほんとだほんとだと盛り上がられた。
私のチームメートは大いにうけていた。
しかし、こんな笑い話みたいなことでも、美人と言われるのはとても嬉しいのだ。例えそれが、美人という日本語を使ってみたかっただけだとしても。


随分と時がたち、35歳を過ぎた頃、珍しく事務系のパートをしていた。
子供を保育園に預けながら、必死の毎日を送っていた頃だ。
その時に、衝撃の一言を女上司から頂いた。

もっと綺麗にしてください。髪ボサボサでオバサンみたいですよ。うちの会社の印象、あなたのお茶だしで決まるんですよと。

その頃の私は、高価な縮毛矯正を諦め、美容師さん渾身の、くせ毛をいかしたユルフワパーマ風を装った100パーセント地毛のセミショートスタイル。

今ならパワハラになりかねない時代錯誤な一言がグサッとささる。
このニュアンスヘアー、ボサボサに見えるのか…。確かに、ちゃんとスタイリングはできてないかも…。会社の印象しょわされてるなんて…。うぅ。

しかし、この言葉で息を吹き返す。

あなた、可愛いんだから…。

なんだって?それ、もう一回言って。
ならばわかりました!綺麗になります!!


まずはてっとり早くと、初めて髪をカラーリングした。似合う自信がないから、かなり黒よりのダークブラウン。マットな黒よりも艶が出て、手をかけている感がでた。

そして、少し髪が伸びたところで、ストレートパーマをかけた。毛先だけはくせ毛を残してランダムなカール感を出した。なんだか、全てを消し去るのは嫌だった。

女上司の可を頂くと同時に、年若い男性社員から、かまわれるようになった。フォーカスされたのは髪型ではなかったけれど、ルパン3世がおちゃらけている時みたいな面白い人で、パワハラ吹き荒れる空気の中、気分転換をさせてもらった。人によってはセクハラよ!ミートゥーよ!なんて言いかねないふざけた会話が実は好きだし、まだいけるのかワタシと勇気をもらった。

その職場を去ってからは、見た目云々言われるような環境ではなかったから、プレッシャーはないものの、褒められると継続したくなるもので、髪型に限らず、自分をいかす選択を意識するようになった。
あくまでも、痛くなく、お財布とも相談して程よい範囲で。

なにせ、今ではピアノレッスンに通っている。贅沢な道楽を続ける為には、支出のバランスをとらなきゃならない。

メイクはあれこれ手を出さず、よそゆき服の基本は、2~3シーズンはいけそうなシンプルなスカートを軸にパンツも少々、トップスやジャケット、コート、靴でTPOを調整。

30代の頃はカジュアルものばかり買い揃えていた。元気なママしてた頃だ。デニムやTシャツといった遺産は残ってて、普段着はもう十分。
40代になり、ファッションの出費にはそれほど追われなくなった。

だけど、髪の毛はどうしても切り落とせないポジション。

ストレートパーマはやめれた。
若い頃より髪が細くなったせいか、くせも弱くなった。今が丁度いい量感。やっと、楽になってきた。

一方、カラーリングはやめていない。自分の瞳の色に近いダークブラウン。そこから、色が抜けて段々と明るくなってくるのを好きになってしまっている。なかなかマットな黒には戻れない。ちらほら白髪もある。
オーガニック系の優しいもので染めてもらってはいるが、繰り返し繰り返し、いつまで続けるか、考えるときがやがて来る。

もうちょっと、ここは粘っておこう。
100%ナチュラルビューティーはいつかね。


最近じゃ、年齢のサインが出現することを劣化なんて言う表現も目にする。
ウイットってものに、欠けているなぁと思う。

時計の針はじりじりと進み、やってくるのよ平等に。
そんなこと言っている誰かさんにだってね。

抗ったり、手を結んだり、降服したり。
ひれ伏した先にある新たな美の国を目指して。

なんて、ドンキホーテ的?妄想に陥ったところで、
私と美の考察はおしまいにしておきます。